京都の桜を見に行く

京都の桜は有名で、まず嵐山や二条城、円山公園や平安神宮神苑を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
もちろん、そういった定番スポットの桜は素晴らしいものです。
しかし、春の京都市街はお花見ツアーで一杯で、下手な時に行くと「桜を見に来たのに、人混みを存分に堪能して帰る羽目になった…」といったこともあり得ます。

さて、この記事では私、Dソルトのお気に入りのお花見コースをご紹介いたします。
このコースのポイントは以下の通り。
  1. 人混み、おことわり。私の半径1メートル以内に常に人がいる状態は除外です。 
  2. 史跡、寺院、神社の桜にはあまりこだわりません。補助的な評価程度に考えます。
  3. すべてのポイントを交通費600円で回り切ります。
では、書いていきます。

交通手段は、市営地下鉄のみ。1日乗り放題切符があり、大人600円です。
京都駅などには自販機がありますが、その他の駅を起点にするなら、駅の窓口で購入しましょう。
乗り放題と言えばバスもありますが、この時期の京都のバスはほんま上級者向けなんでやめた方がいいです。下手な乗り方するとすし詰めにされます。
桜に限らず、京都観光は鉄道を主軸に考えると結構ゆとりのある観光になると思います。



まずは蹴上→南禅寺→哲学の道コース。早くに来るのがポイントです。このコースはそこそこ有名なので、時間が経つほど人口密度が高くなります。
市営地下鉄 蹴上駅で下車し、ねじりまんぽのトンネルを抜け、そのまま南禅寺に抜けます。

南禅寺の桜



南禅寺は臨済宗の本山の1つで、大きな三門・法堂がそびえたつ、秋の紅葉が美しいお寺です。
見上げるばかりの法堂を背景にした、春の桜も中々のものです。

哲学の道の桜



南禅寺を北に抜け、東へと進むと哲学の道が姿を現します。全長2キロほどの水路沿いの遊歩道で、この2キロの路がすべて桜トンネルになる、有名なスポットです。道中、熊野若王子社や大豊社などの神社もあります。
哲学の道の北の終点には有名な『銀閣寺』があります。この銀閣寺は午前8時30分に開門する(4/2018現在)ので、早朝の桜を楽しんでから銀閣寺の開門時間に来る早朝ダッシュもおすすめです。

熊野若王子神社の桜


熊野若王子神社の裏には小さな桜苑があります。
ついでに寄ってみるのも一興で、蹴上の水道施設を俯瞰視点から見ることができます。

蹴上の桜



蹴上インクラインは、明治期に琵琶湖の水を京都に流すために造られた水路の一角で、船を運搬する線路のレールが残っている史跡です。
線路のレールの上を歩きながら、左右に広がる桜を鑑賞できる有名スポットです。
ここも時間が経つほど人が来るので、早い時間に行くのがいいでしょう。

ちなみに、徒歩で蹴上インクラインを下るとそこから岡崎疎水。水路に咲き誇る有名な桜で、北には平安神宮。
平安神宮の大鳥居から南へ歩くと、知恩院・円山公園というこれまた超メジャーな京都の桜スポットがあります。
円山公園を東に抜けると八坂神社。そこから四条通に出るとそこはもう祇園…祇園白川の雅な街並みと、祇園の桜。
人混みとか気にしないよーって人はこちらのコースがオススメです。そこから河原町に抜けると繁華街ですしね!



次に、山科疎水→毘沙門堂コース。そこまで観光客はいないのでのんびりできます。
毘沙門堂には車で乗り入れもできますが、道が狭いのでやめた方がいいです。
市営地下鉄 山科駅で下車。地下鉄東西線が正解です。同じ路線を京阪電鉄も走っているのでうっかり乗ると琵琶湖に行きます。

山科疎水の桜



市街地を北に抜けると、コンクリの水路と桜トンネルに出くわします。これが山科疎水で、琵琶湖の水を京都に運ぶ大事な水路です。
地元の方がここでよくお花見してます。空には桜、地には菜の花、足下には水音となかなかに良い雰囲気の場所です。静かですし。

毘沙門堂の桜



山科疎水の安朱橋を北に抜けると、毘沙門堂です。こちらも普段は静かで良い寺院です。
山間に立つ歴史ある寺院から、あふれるような枝垂桜が咲きます。空気も澄んでいて、人もそこまで多くなくおすすめです。
ちなみに、山科駅は駅構外で駅そばを食べることができます。にしんそばもあります。
学生さんも、学生気分に戻りたい社会人にもおすすめです。駅そば丸呑みでがんばってるリーマンの方は仕事思い出すのでおすすめしません。




史跡とは関連ありませんが、京都府立植物園→半木の道コースもおすすめです。
市営地下鉄 北山駅で下車、そのまま北門に入ります。
どちらかと言えば、観光客より近場の人間が桜を楽しむようなコースです。

府立植物園の桜


府立植物園の入園料は200円で、広い植物園が楽しめます。桜に限らず、春の花も集まっています。
もちろん桜の庭園は格別で、桜トンネルの中を遊歩道が縦横無尽に走っています。

そして、庭園から離れた場所に大枝垂桜が1本そびえ立っています。
この桜はもう、語るより写真を見てもらった方が早いでしょう。

半木の道の桜


鴨川沿いに、一面に枝垂桜のトンネルが1キロ弱出現します。
『鴨川茶店 』の開催時期に行くと、茶店や特産品販売、和楽器の演奏をしていて賑やかです。
ビールや焼きそばも売っているので立ち寄ると楽しいです。
余談ですが、鴨川沿いは大抵桜がいっぱい咲き誇っています。
鴨川の河原は昔、そこかしこ処刑場だったんですよね。ああ、桜の木の下には……

京都御所の桜


おまけで京都御所の桜も紹介します。
京都御所は1870年まで永きにわたって天皇陛下がお住まいになった場所です。
京都御所へは、市営地下鉄の丸太町駅、もしくは今出川駅で下車。
桜の本数は多くはないものの、日本の中心点を背景に見る桜は格別に風情があるようです。
禁門の変で有名な蛤御門もあり、ちゃんと弾痕らしきものがたくさん残っています。150年前に、ここで最後の侍達が白刃を交え、銃弾が飛び交ったと思うと何と言いますかもう、辛抱堪りません。



以上が私お気に入りのお花見コースとなります。
桜と言えば、永久パピルス頒布『バグ・シャースの浸蝕』に掲載されている「天使のストンプ」も桜がテーマの1つになっているため、そちらも是非併せてお楽しみください。

おいでませ、京都。