寄生する炎(H27.3.10修正) −−−−−−−−−− |PL向け卓前情報| −−−−−−−−−− 【シナリオ内容】 現代日本。赤牟市にある御簾華大学。 6月の暑い日。 学内の掲示板には沢山のビラが貼ってあります。 その中の一つ。 『食の未来研究室』の実験協力者募集。 1時間で1500円という割の良いバイトが、人知れず貼られていました…。 【推奨技能】 各種学問系技能 図書館 クトゥルフ神話技能 【想定プレイ時間】 オンラインセッション:10〜15時間 オフラインセッション:3〜4時間 【プレイ人数】 3〜4人 【NOTICE!!】 このシナリオは、積極的に探索・推理していかなければ難しいシナリオだと思います。 真相を読み違えれば、生き残るのは厳しくなっています。 全滅率がかなり高いシナリオだということを覚悟しておいてください。 生き残っても、探索者はかなりの犠牲を払うことになるかもしれません。覚悟の上で参加してください。 また、このシナリオでは特例として、キャラクター作成時にクトゥルフ神話技能に趣味技能値を振っても構いません。 このシナリオでは、クトゥルフ神話技能が非常に重要な役割を果たします。 ただし、探索者がクトゥルフ神話技能を持たない場合でも進行に支障が生じないよう措置を取っているため、取得が必須というわけではありません。 【ハンドアウト】(1.もしくは2のいずれかを選ぶこと) 1.あなたは御簾華大学の学生(院生)です。(1名) あなたは学内の掲示板に貼ってあった、『所要時間1時間弱、ご飯を食べて検査をされるだけで1500円』という割のいいバイトに飛びつきます。 2.あなたは1の探索者の知人です。職業は問いません。(2〜3名) 最近様子がおかしい彼or彼女を心配して、その原因を調べることにしました。 −−−−−−−−−− |KP向け卓前情報| −−−−−−−−−− 【KPの情報】 探索者を悩ませる謎の症状の原因は、不浄のキノコに麦角菌の遺伝子が組み込まれた神話生物です。苫米地によって造られた、人間に寄生するキノコが今回の事件の正体になります。(苫米地は、ミ=ゴから不浄のキノコを盗み、遺伝子組み換えすることでこの神話生物を造りました) 感染経路は接触。患者に触れたPC、NPCは問答無用で進行度ロールが発生します。 これは「不浄のキノコ」と「麦角菌」の双方の特徴を併せ持つため、通常の医学・生物学ロールだけでは(神話技能でも)真相を暴くことは不可能です。ただし、適切な場面で使うことにより以下のヒントを得ることができます。 ※進行度の高い患者の傷口からは、菌糸が見えます。これに対して神話技能ロールに成功した場合は「プレイヤー資料2」を与え、似た部分がある旨を伝えてください。 ※また、症状について医学ロールを行った場合は「プレイヤー資料1」を与え、症状として似た部分がある旨を伝えてください。 この病気に感染すると、手足に燃えるような感覚を覚える症状があります。また、進行が進むと発火する幻覚を覚えますが、実際に火傷は起きていません。 その代わりに手足の壊死が進んでいきます。進行度が高くなると発症者は自身の神話知識を幻覚として見るようになり、正気を失っていきます。(神話知識のない人間は、具体像のない恐怖感のみを覚えます)。進行ロールをする毎にSANチェックを与えましょう。 このキノコは金をその体内に溜め込む性質を持っています。いわゆる「生体濃縮(生物濃縮)」というものです。 錬金術を追い求めて狂った苫米地は、金を生み出す『賢者の石』としてこの神話生物を作り出しました。 かつて、黒川金山ではミ=ゴが不浄のキノコを用いて人間を媒体に金を収拾しようとしていましたが、当時のキノコは不完全なもので人体の中に充分な量の金を濃縮することができませんでした。 そのためミ=ゴは一度はこの研究を放棄したのですが、苫米地がこの神話生物を生み出した事を知り、改めて手に入れようと目論んでいます。 清水はミスリード用NPCなので、無駄足を踏ませるために使いましょう。清水に関する探索が発生することもあるでしょうが、適宜アドリブで行うと良いです。 当然、清水関係の場所からは、少しも不審なモノは見つかりません。当たり前にある物を、思わせぶりに描写しましょう。 冒頭の実験は、何のおかしい所もないただの実験です。(実は、私がかつて経験した学内バイトの内容をほぼそのまま使っています) ちなみに、黒川金山と花魁淵は実在の場所です。花魁が殺されたという伝説が残るのも事実ですが、その理由は「金山の秘密を隠すための口封じ」と言われています。 基本的なシナリオの流れとしては、 PC1に苫米地が菌を植え付ける→ 清水を怪しむPC達→ PC達の勘違いを利用して行動を操り、研究を進める苫米地→ 探索者達が苫米地の行動に違和感を持つ→ 探索者達が苫米地について調べる→ 謎が解ける という展開になります。 ☆キーパリングのヒント:進行中に苫米地が心理学を受ける可能性はかなり高いので、セリフの表現は慎重に選ぶと良いです。 苫米地としては探索者に情報を与えることはやぶさかではないので基本的には真実を話させて問題ありませんが、苫米地が黒幕だという推理に直結する質問については「疑問形で返答する(〜だと思わない? など)」、「断定しない」などのかわし手で受け答える事で、心理学に対して「嘘をついてはいないようです」と答えられる準備をしておくと良いでしょう。 ここの心理学の捌き方がシナリオ中一番の難所です。 (騙しきる自信がない場合は、カルえもん講座にあった心理学の項を読んで適用するとやりやすいでしょう) 寄生進行度(シナリオ内での12時間ごとに進行度ロールを行う) 1感染…少し体がだるい。 2感染初期…ときおり、手足に燃えるような痛み。ロール失敗時等に発生させる。ここまで、医師の診断では異常を発見できない。 3感染中期…常時手足に燃えるような痛み。診断により、手足の血管が鬱血していることが分かる。 4感染終期…手足が燃える幻覚に襲われる。指先が青黒く変色し、明らかに異常が分かる。終期状態でロールファンブルをするごとに0/1d3のSANチェック。組織切断面(表皮部)に菌糸が見える。 5感染末期…手足指の壊死。CONとSTRが3減少。また、時折この世ならざる風景を見る。また、末期状態でロールファンブルをするごとに1/1d6のSANチェックと神話技能+5%。 6発芽…子実体の発生。宿主は激痛と共に絶命する。また、周囲にいる者も撒き散らされた胞子によって強制感染・発芽が起きる。 (その他、シナリオギミックに影響の出ない範囲で、場面に合わせて適宜症状を変えるとよい) ※進行度ロールは、CON*1ロールを行い、失敗した場合に進行させること。その他、技能ファンブル時などに進行ロールを行っても良い。 −−−−−−−− |キーパー資料| −−−−−−−− ☆キーパー資料1 生物濃縮(せいぶつのうしゅく)は、ある種の物質が生物体内に濃縮されてゆく現象をいう。生態濃縮、生体濃縮(せいたいのうしゅく)ともいう。 これは、つまり生物が特定の物質を体内に溜め込むという事であり、それにより環境汚染などを調べる手法なども研究されている。 ☆キーパー資料2 遺伝子組み換え(いでんしくみかえ)は、DNAを分離し、操作し、細胞もしくは生物に再導入して、そのDNAが増殖できるようにする過程からなる。有用なタンパク質を発現させることや、生物に新たな形質を導入することなどを目的とする。細胞融合やクローン技術などとともに、バイオテクノロジーと総称される。 タンパク質はDNA上の特別な配列である遺伝子によって決定されるから、遺伝子DNAの操作によってタンパク質に変更を加えることができる。その一つの方法として、遺伝子を含むDNA断片を分離し、遺伝子を切り出して、他のDNAの部分に導入するものがある。 ☆キーパー資料3 賢者の石(けんじゃのいし)とは、中世ヨーロッパの錬金術師が、鉛などの卑金属を金に変える際の触媒となると考えた霊薬である。 一般によく知られた賢者の石は卑金属を金などの貴金属に変えたり、人間を不老不死にすることができるという。 −−−−−−−−− |プレイヤー資料| −−−−−−−−− ☆プレイヤー資料1 【ライ麦に寄生する麦角菌による中毒症状(アントニウスの火とも呼ばれる)】 ライ麦などイネ科の植物がかかる病気の中に、子房内に黒紫色の菌核を形成させる「麦角病」という植物病がある。 麦角病の菌核には「麦角アルカロイド」という毒素が多量に含まれており、これを摂取した人間は「麦角中毒」に陥る。 主な症状は、体の末端部分の壊疽や極度のしびれ、精神錯乱、記憶の欠如、そして幻覚。 この病気は菌核の摂取が原因であるため、汚染された食品の摂取をやめる事により症状の改善が見込まれる。 ☆プレイヤー資料2 【「不浄のキノコ」について】 感染方法 ・接触感染 症状 ・口数が少なくなる ・人付き合いが悪くなる ・医者や治療を嫌がるようになる ・最終的にキノコに全身を冒され、キノコに変化してしまう 知られている治療法 ・感染部を除去・焼却する。(ただし、全身に感染している場合にはそれは即ち死を意味する) ☆プレイヤー資料3 【『寄生する炎』について】 黒川金山という鉱山で、女性たちが奇妙な病気にかかった。 この病気では、最初は手足が燃えるような幻覚を覚え、後にはこの世ならざる風景を見るという。 彼女らの手足は青黒く変色し、時に崩れ落ちた。 この恐ろしい病気を防ぐため、鉱夫らは花魁淵に女達を集めて彼女らを殺すことにした。 『炎』が燃え広がらないように。 【本編】 --------------------------------------------- 0.【自己紹介】 ※自己紹介を行います。 --------------------------------------------- 1.【1500円のアルバイト】 PC1は、農学部北館の隅にぽつんとある、『食の未来研究室』の前にいます。 彼(彼女)は食って寝るだけで1500円という夢のアルバイトに応募して、この研究室にやってきたのでした。 扉を開けると、中では30歳代くらいの細身の男性研究者が白衣を着てパソコンに向かっています。 /※論文の中身は遠目なので目星が必要な上、英語なので英語技能も必要。成功すると、『食品の持つ熱量を最大限に活かす』というテーマであることが分かります。 /(これ、実は言い換えれば『小食でも効率よくカロリーを得られる方法』の研究です。熱量=カロリーなので。つまりは『熱量』という単語でのミスリード狙いです) /※研究者の名は清水公平。助教をやっています。 白衣の男に連れられ、大学構内から出てマンションに向かいます。 案内されたマンションの一室には、心電図らしき機械や、温度計。 そして料理によく使うような大きめのボールなどが置いてあります。 奥の部屋には、ベッドと小さめの薄型TVにDVDプレイヤーが置いてあります。 「それでは、そこで休んでいてください。ちょっと準備をしてきます」 そう言って、PC1をベッドに腰掛けるように促すと、男は奥の部屋に入って何やら準備を始めます。 /※清水がいない間に探索者が面倒な動きをしたら、清水を部屋に戻らせて注意させると良いでしょう しばらくすると、男が戻ってきます。 「それじゃ、これを食べてください。食べるのは、このフォークで切れ目を入れた所までです」 男はパックに入ったサトウのごはんを手渡してきます。 切れ目は全体の1/3くらいの量の所に入っています。 探索者が食べると、男は次の指示を出します。 「それでは、後は1時間ほどベッドで休んでいてもらえますか? 退屈かもしれませんが、ビデオを流すのでそれでも見ていてください。指示は、それだけです。 …ただし、注意事項が一つだけあります。 絶 対 に 眠 ら な い で く だ さ い 。 絶 対 に 、 で す 」 男は念押しして、奥の部屋に戻ります。 /※ここでも何か探索者が妙な行動をしそうになったら、清水が部屋に入ってきて止めてください。 テレビには、DVDの映像が流れています。 テレビ画面は、深い海の中を映し出しています。魚の群れが通り過ぎます。ナレーションの穏やかな語りが眠気を誘います。どうやら、外国の海を撮影した映像のようです。 POW×5ロールを、数回連続させます。 間には、適宜思わせぶりな深海の描写を入れると良いでしょう。 そうこうしているうちに、白衣の男が部屋に戻ってきます。 ----------------------------------------- ※POW×5ロール失敗の場合、PC1は眠ってしまいます。 そして、ゆさゆさと揺さぶられて目が覚めます。 「起きてください。寝ないでくれと言ったでしょう?」 白衣の男は、PC1を呆れた顔で見つめますが、怒ったりはしません。 ----------------------------------------- 「それでは、検査に移ります」 男は、○○の腕に電極らしきものを貼り付けます。 「力を抜いて寝ていてください」 数分後。 「・・・はい、OKです」 「次は、このボールの中に手を入れてください」 料理用ボールを指差されます。 ふむ。手を入れると氷水の冷たさが痛いほどです。 「ほんの数分なので、我慢してくださいね」 そして数分。 「・・・はい、OKです。」 「それではこれで終了です。お疲れ様でした」 そう言うと、男は茶封筒を手渡してきます。 /※封筒の中身は1500円 それでは、これでバイトは終了しましたが、これからどうしましょうか? 特にないようであれば、これで帰宅になります。 ここでPC1にアイデアロールを行わせてください。   アイデアロールに成功した探索者は、帰宅の前に生物学Tのレポートを出さなければいけない事を思い出します。 (もし失敗した場合は、アドリブイベントで思い出させるようにしてください) このレポートの提出先は、農業化学研究室です。 /※レポート内容は『遺伝子組み換え』についてです。これは、PLに聞かれた場合に答えるだけで構いません。 ---------------------------------- 2.【苫米地と会う】 農業化学研究室の扉を開けると、中には白衣を来た女性がいます。 去年から御簾華大学で教鞭をとっている、苫米地特任助教です。 探索者はレポートを出しますが、時間は既に5時を越えています。 提出期限にギリギリ間に合わないのですが、苫米地はレポートを受け取ってくれます。 「錬金術師」を自称する彼女は『エメラルド碑板』(錬金術のオカルト本)のページをめくりながら、「学生に期日通りにレポートを出させる薬」でも造れないものかと軽口を叩きます。 彼女は「私に作れない薬はない」と豪語します。 ここは「救済NPCの顔見せ」の場面だと感じさせるようにすると良いでしょう。 /※この場面で苫米地の必須行動は、PC1に触れることです。(この時にPC1に不浄のキノコを植えつけている) ---------------------------------------- 3.【様子がおかしい】 探索者は家に帰ります。 それから3日後。 最近ちょっと体調がすぐれません。 それを親しい友人(=PC2)たちに相談するために、昼食を一緒にすることになりました。 ここから、他探索者もシナリオに絡んでいきます。 /※この時点でPC1は進行度1とします。そして、次のシーンから進行ロールスタート。 ----------------------------------------- 4.【医者へ】 ・医学を使うと、診断する限り、特に異常は見当たりません。(この時、技能使用者がPC1に触れる描写をしてください。これ以後、その探索者にも進行度ロールが始まります) ・病院で検査しても、異常は見当たりません。(この時、医者がPC1に触れる描写をしてください。これ以後、医者にも進行度ロールが始まります) ----------------------------------------- 5.【清水を調べる】 ・食の未来研究室は鍵が閉まっています。(清水は札幌に出張中です) ・実験をしたマンションも誰もいないようです。 探索者が更なる調査をしようとする事もあるでしょうが、自由に探索させて、どんどん無駄足を踏ませましょう。 (その辺りはアドリブで行ってください) ----------------------------------------- 6.【苫米地に相談する】 ・苫米地に相談すると、髪の毛を一本渡すように言われます。 探索者が苫米地に髪の毛を渡したなら、苫米地は実験室へと移動します。苫米地は実験室に鍵をかけてこもり、この後『9.苫米地からの呼び出し』のイベントが発生するまで部屋から出てきません。 苫米地に『化学』と『生物学』の複合ロール(63%)を行わせてください。成功すると、この病気に関する苫米地の研究が進んだことになります。 ※苫米地はこの神話生物の寄生による金の蓄積量を研究するためにPC1の髪が必要です。「病気について調べるため」など口実をつけて、なんとしても探索者から髪の毛をもらいましょう。 ----------------------------------------- 7.【図書館で調べる】 大学の図書館で調べると、一冊の古い本が見つかります。 『異病奇譚』と書かれた古ぼけたその本からは、プレイヤー資料3の情報を得ることができます。 また、もしもこの本の貸し出し記録を調べたならば、苫米地が2年前にこの本を借りていることが分かります。 ※すべては、2年前にこの本を読んだ苫米地がミ=ゴの存在と目的に気付き、黒川金山跡地から不浄のキノコの残されたサンプルを持ち帰ったことから始まっています。 ----------------------------------------- 8.【黒川金山を探索する】 黒川金山に行くには、車での移動で8時間(行き4時間、帰り4時間)、探索で4時間の計12時間がかかります。 金山内部の探索については、アドリブで行ってください。単純な一本道でかまいません。 最奥には、古ぼけた、それでいて見た事もない機械があります(大きさは1*1*2m程度)。 クトゥルフ神話技能などで、これがミ=ゴの作った装置であることが分かります。また、機械修理技能で、この装置が金を抽出するための機械であることが分かります。 そして、装置の横には固い金属製のベッドのようなものがあり、ベッドには拘束具がついています。 もしも、この拘束具で拘束された場合、STR18との対抗に勝利しない限り拘束を解くことができません。(複数人で対抗ロールを行う場合は、STRの合計値を用いること) ----------------------------------------- 9.【苫米地からの呼び出し】 黒川金山から戻ると苫米地から呼び出しがあります。彼女は、PC1の病状について分かったことがあるといいます。 研究室で、苫米地はPC1の髪の毛や爪を採取して分析します。(金の蓄積があるか調べています) KPは怪しまれないようにPC1から髪の毛か爪を手に入れられるようRPしてください。 苫米地の言う「分かったこと」というのは、この症状を引き起こしているのが一種の菌類によるものであるということです。 その菌類は、今まで知られているどんなものでもない、と苫米地は言います。 そうしていると、突然ミ=ゴが窓ガラスを割って現れます。SANチェック0/1d6。 乱入したミ=ゴは、PC1をさらおうとします。 その一方で、感染していない者については全く意に介さず、攻撃されても反撃することすらしません。 キーパーは、ミ=ゴがPC1ばかりを執拗に狙っていることを描写するようにしてください。 彼らの目的は不浄のキノコ(とその感染者)であり、普通の人間に興味はないのです。 探索者が攫われかけた所で、苫米地はMPを全て使用してヨグ・ソトースの拳を唱えます。(成功率64%) 呪文に成功すると、ミ=ゴは吹き飛ばされ、PC1を置いて逃げていきます。 そして、呪文の成功失敗を問わず苫米地は意識不明で倒れます。話が聞けるのは翌日以降。 ※このパートの目的は、PL達に苫米地を仲間だと認識させる事です。ですが、助けたのがPC1であるのがポイント。苫米地の真意は実験対象を奪われたら困る、ということです。 ミ=ゴ STR:18 DEX:24  INT:18 CON:18 POW:18  幸 運:70 SIZ:18 H P:18 M P:18  回避:48  ダメージボーナス:+1d6 [技能] ハサミ 80% ダメージ1d6および<組み付き> ※このクリーチャーは、PC1をさらうために行動する。 そして、PC1に対して組み付きが成功すると、PC1を抱えたまま黒川金山へと飛んでいく。 ☆分岐 PC1が攫われた場合 ・ミ=ゴからPC1を取り戻す。 PC1を守りきった場合 ・そのまま調査を続ける PC1が攫われた場合は、ミ=ゴは黒川金山へと飛んでいきます。 黒川金山の奥にある拘束ベッドでPC1は拘束され、ミ=ゴの実験を受けています。 ミ=ゴの目的は、この金を生む(溜め込む)不浄のキノコのデータを取る事です。 捕らえたPC1に対して肉を抉るなどして恐怖を煽りましょう。(もちろん、ミ=ゴはその肉を成分分析するために抉るわけです) 探索者がPC1を取り返そうとすると、ミ=ゴは探索者に応戦します。 洞窟内では「高い位置から落とす」が使えないため、ミ=ゴの攻撃が致命傷になることはあまりないでしょう。 数の利で一気に制圧できるはずです。 ミ=ゴを倒しPC1を取り返して、調査の続きに移りましょう。 ----------------------------------------------------------------- <<誤答ルート>> 10−A.【解決策が見当たらない】 右往左往したあげく、ただ時間だけが過ぎていきます。 そして進行度が最終段階に達すると探索者の体を突き破ってキノコが生えます。 それと同時に探索者は絶命し、目撃した者は1d6/1d20のSANチェックを行います。 加えて、その遺体からは胞子が飛び、周囲の人間を感染させます。 全員にCONロールを行わせてください。 成功、失敗に関わらず、その場にいた人間は一気に症状が進み死亡するのですが、 最後のCONロールに成功した探索者がいた場合には、その探索者は最期に誰かが近寄ってくるのに気付きます。 それは本性を現した苫米地です。 彼女の狂気に塗れた笑い声をバックに探索者の意識は遠のいていき、エンディングとなります。 ------------------------------------------------------------------ <<正答ルート>> 10−B.【苫米地について調べる】 苫米地は現在の農業化学研究室で生体濃縮の研究をしている事が分かります。 また、彼女の友人や知り合いに話を聞くと、苫米地は錬金術とオカルトが大好きな変わり者だが、優秀な研究者だということを教えてくれます。 ------------------------------------------------------------------ 11.【苫米地の研究室】 苫米地の部屋の本棚には、化学・生物学・錬金術関係の本が数多く並んでいます。 化学の本は、無機化学が中心のようです。 生物学の本は、生体濃縮と遺伝子組み換えについての専門書です。 ※生体濃縮と遺伝子組み換えについては、生物学ロールを許可しましょう。詳細はキーパー資料1,2の通りです。 錬金術の本は、『賢者の石』の項目にマークがしてあります。 ※賢者の石についてはオカルト・歴史・人類学技能あたりのロールを許可しましょう。詳細はキーパー資料3の通りです。 苫米地の部屋の机の鍵のかかった引き出しには、ノートがあります。ノートには、髪を採取された探索者の名前と『Au』・『Ag』・『Pt』etc.etc...という項目に合わせて数値が書かれています。 化学ロールに成功すると、それが貴金属(Au=金、Ag=銀、Pt=プラチナ)を表しているのであろうこと、そしてAuの数値が異常に高いことが分かります。(目星ロールでも、Auの値が高いことだけは分かる) ------------------------------------------------------------------ 12.【苫米地を問い詰める】 証拠(実験ノート)を突きつけて問い詰めると、苫米地は本性を現します。 彼女から特効薬を奪い、飲むことで体内の不浄のキノコを駆除することができます。 苫米地 冬華(性別♀) 職業 特任助教 年齢28  STR:6  DEX:12  INT:18 アイデア:90 CON:8  APP:13  POW:14  幸 運:70 SIZ:9 SAN:20 EDU:17 知 識:85 H P:9 M P:14  回避:24  ダメージボーナス:−1d4 [技能] 化学:85% オカルト;85% 投擲;89% 回避;80%  図書館;74%  生物学;63% 言いくるめ;89% 目星;75% クトゥルフ神話52% ・防具 [白衣] ・呪文 [イブン=グハジの粉・マインドブラスト・復活・支配] ・所持品 [手帳・ペン・ライター・アイフォン・催涙スプレー・硫酸瓶・ルルイエ異本・アルアジフ・エメラルド碑板・特効薬] ※特効薬は、遺伝子組み換えされた不浄のキノコを退治することができるものです。 [プロフィール] 「私は錬金術師になるの」 中二病をこじらせたら、いつの間にか化学者へのレールに乗っていた女性。 向学心旺盛で、教授から強く進学を勧められて大学に残った。 だが、あくまで最終目的は錬金術師なのでオカルト的な研究にも余念がない。 賢者の石のレシピを求め、魔道書を読み進むうちに倫理観を失った。 [KP用データ] ・御簾華大シナリオ用の悪役兼救済NPC。 ・錬金術マニアの探求者肌。 ・彼女の行動基準は真実の探求と錬金術理論の構築のみ。探索者たちに対して悪意はない。ただ、彼女自身の目的のために探索者を利用することはあるかもしれない。それが探索者たちにとって幸せな事かどうかは、場合によるだろう。 ・不定の狂気に陥っている(錬金術へのフェティッシュ)。 正気度報酬 真相にたどり着く +1d6 全員生還 +1d6 ★最後に★ シナリオを利用したリプレイ及び動画等の二次創作については、シナリオタイトル及びシナリオ製作者の情報を明記することを条件に許可します。 シナリオ製作:#6(永久パピルス) http://brainmixer.net/yibbtstll.html 永久パピルスでは、ボリュームたっぷりなシナリオ集をメロンブックス様で販売しています。 『イブ・ツトゥルの景象』B5/120P/価格1000円 (https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=135762) 『バグ・シャースの侵蝕』B5/108P/価格1000円 (https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=169929)